7人のメガネ男子にごちゅーい!
「あぁ!了解した!」

会長が、元気よく返事をする。

「じゃあ、要が着替えてから晩ご飯食べよ!」

「お前の、せいで要が着替える事になったんだよ。少しは反省しろ。女好き」

「………会長も、会長だけどね」

要が、会長を睨み付ける。

「……………」

珍しく会長が黙る。

「早く晩ご飯食べよー!」

優花の元気な声で、皆が頷く。

「じゃあ、俺着替えてから行くから。行ってて良いよ」

「あっ。私、要君に着いていくね」

「……何で?」

優花が、何で要に着いて行かないといけないの?

「一人は、怖いから…」

「ん?優花は、一人じゃ無いじゃん」

「要君が、一人になるから…」

「要は男だから、大丈夫だよ?」

蓮が優花の頭を撫でながら微笑む…。

「だけど…」

「はぁ…。じゃあ、皆で行けば良いだろが。な?幼児体型」

「うん。風真君、ありがとう~」

優花が、笑顔で風真に抱きつく。風真は、顔を真っ赤にして固まる。

「…寒いから早く行こ?」

要が風真と優花に訴えかける。確かに、水を被ってたら寒いよね…。

「ごめんね?要君…」

「…大丈夫」

要は、優花の視線を逸らして歩き出す。僕が、少し要の顔を見ると顔がほんのり赤く染まっていた。

「じゃあ、ちょっと待ってて」

要はガチャと静かにドアを閉める。

「てか、こんな面倒な事になったのって直樹のせいだよね?」

僕は、腕を組み直樹を睨む。直樹は、アハハっと言いながら後ろに腕を組む。

「まぁ、まぁ。喧嘩は、ダメだよ」

雪斗が、僕と直樹の間に入って僕と直樹の手首を掴む。

「………何?」

「良いから、良いから」

雪斗は、僕達の手首から手に移して僕と直樹の手を重ねる。

「ちょっと……。僕、直樹の手に触りたくないんだけど!」

「酷くない!?」

「女好きがウツるじゃん……」

「仲直り、仲直り」

「……何これ?」

もう、本当に直樹の手に触りたくないのに…。

「良く、優花と喧嘩した時に愛美がこうやって、手を無理矢理繋がせるんだ。ね?優花」

「うん。愛美に逆らったら殺されるからね」

「…ふーん。でも、これは喧嘩じゃない。僕が、直樹に文句を言っ…」

「喧嘩だよ。それは」

雪斗は、僕達の手を離さない…。あーもー。何でこんな事に……。

「……着替え終わ……。何してるの?」

「仲直りをしてるの」

雪斗が笑顔で要に話し掛ける。……雪斗って無駄に力強いから手を解けない……。

「もう、仲直りしたから早く手離して」

僕が、雪斗に嘘を言う。仲直りなんて、した事無いし。直樹と…。小さい頃は、次の日には忘れてるから必要無かったんだ…。

いつからか、僕達は喧嘩所か話さえしてなかった…。二年になってから生徒会に入って何年振りかで話したんだ。

「本当に?」

「「うん。本当に」」

僕達の声が初めて重なる。……直樹なんて好きじゃない……。

「じゃあ、もう良いよ」

雪斗が僕達から手を離す。

「じゃあ、晩ご飯食べに行こー!!」

優花が、とびきり可愛い笑顔で皆を見る。…会長以外皆顔真っ赤…。……皆だって分かりやすいじゃん。皆、人の事言えないよ……。
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