７人のメガネ男子にごちゅーい！

「美味しー」

優花が、お魚を口に含みポロッと笑顔を零す。

「何で、また野菜様を……」

会長の瞳に涙が浮かぶ。

「野菜を食べないと、お肉抜きです！」

「そう言う優花は、野菜様を食べたのか！！」

「ほら」

優花が、指を指した方を見ると野菜を食べ終わったお皿が…１、２、３、……。六皿。

「優花は、そんなに野菜様を食べてお腹が膨れないのか？！」

「だって、ここの料理美味しいんです」

「俺は、野菜様をどの位食べれば良いんだ…」

「会長は、お昼ちゃんと食べたので今食べてる野菜だけで大丈夫です」

「本当か？」

「はい」

「お前は最高だな」

会長は、今食べてる野菜だけで良いと言われて相当嬉しかったのかパクパク野菜を食べていく。

「藍、このお魚凄い美味しいよ」

「そうなんだ。良かったね？」

「うん。藍も食べる？」

優花が、お魚の身を取って僕に差し出す。また…間接キスだし……。優花は、何でこんなに恥ずかしい事を普通に出来るのか……。

「…ぇっと……ぅん…」

優花が、あーんっと言ってくる…。ぅう…この可愛さは罪だな…。

「………あーん」

僕が食べる筈のお魚を直樹が横取りする……。

「……………」

「いだいっ！いだいっ！いだいっ！……ちょっ、藍！痛い…いたっ」

僕はフォークと箸で直樹の足を刺していく。

「僕のお魚なんだけど……？」

「お魚なんて、あっちに沢山あるじゃん」
「……優花が食べさせてくれるお魚が良いんだ！！バカ！女好き！チャラ男！」

「俺に対しての態度酷くない！？お魚、一口食べただけじゃん」

「バカで女好きでチャラ男の君は、海に潜って猛毒魚でも食って死んじまえ」

「ちょっと！凄い酷いよ！藍！」

「バカで女好きでチャラ男の君の方が酷いから！優花に食べさせてくれると思ったお魚を横取りするお前の方が酷いから！！消えろ！！」

「けっ……喧嘩はダメだよ……」

優花が、僕のお腹を押して直樹から離す。

「………はぁぁぁ………」

僕は、長い溜め息を出す。僕は、何でこんなに小さいんだよ…。お魚位また食べさせてもらえば良いじゃん……。

「藍？大丈夫？」

小柄な優花が僕の体に引っ付いて上目遣いで僕を見てくる。…優花は行動一つ一つ意識してないのか？意識しないと、いつか男に襲われるよ…。

「……うん。大丈夫」

「そっか。良かった…」

優花が泣きそうに見えたのは一瞬の出来事だった。幻覚か…。幻覚か…？……でも、今優花は、笑顔だし…。

「………優花は…喧嘩嫌い？」

「……えっ？……ぇっと……。嫌いじゃないよ。…大丈夫」

優花は、珍しく僕から視線を逸らす。

「…嘘でしょ？」

「ぅぅん。嘘じゃないよ……。喧嘩は…大丈夫だよ」

「……ふーん。そっか…。お魚食べよ？」

「うん…。お魚食べよー！！」

優花は、ワザとらしく元気に振る舞う。
バカだな…。僕がどれだけ優花の事を見てたと思うの？それが、嘘って事位…分かるよ…。