7人のメガネ男子にごちゅーい!
「……ぅう。怖いよぉ………」

ホテルから出て早速、神社に向かう僕達。でも…ただの夜道を歩いているだけ。驚かす人も出てこないし。これって…肝試しと言うより、散歩じゃない?

「優花、夜道嫌いなの?」

「……うん。肝試しも嫌い……」

「そうなんだ。でも、僕がいるから大丈夫だよ」

「そっ……そぅだね。ゅきっ、……雪斗もいるし……」

……何で雪斗?僕だけで、大丈夫じゃん…。いつも…いつも僕は優花の一番に…なれない。何で?…何で僕は一番になれないの?

「……………」

僕が黙ってると、ちょっと強い風が吹き草木を揺らす。草木はザワザワと音を奏でる。

「………ぅゎ…」

優花が小さな声を出して僕の腕に絡みつく。急の事で、僕は少しビックリする…。心臓が、バクバクして顔が熱くなる。

「…ゅっ……優花?」

僕の声は少し、震えていた。あっ…当たり前だ。…好きな女の子に、急に自分の腕を絡ませてくるんだから…。

「………こっ…怖ぃ……」

「大丈夫、大丈夫。風で草木が揺れてるだけだから」

「……ぅ…うん」

優花の声は、泣きそうになっていた。

「……それに、しても神社遠いね?」

「……道間違ってんじゃない?」

「「「……………」」」

要の冷静な声で皆の動きが止まる。しっかりしてる要の言う事は本当の事に近い……。と、言う事は……。

「「……会長……」」
僕と、要の声が重なる。……地図を持っているのは会長。僕達は、地図を持ってないから道が分からない。会長が進めば、僕達も進む。会長が止まれば、僕達も止まる。

「……おっ、俺は地図を見て歩いた事が無いんだ!」

「……言い訳は良いですから、地図貸してください……!」

要は、会長の所まで歩いて行って会長から地図を奪い取る。

「……………」

「会長……全く逆方向じゃないですか!!!」

「……すっ、すまん……」

「はぁぁぁ……。俺が地図見て歩く。俺と会長の場所を替える」

「おっ……おぉ……」

「本当に……夜道は危険だし…女の子がいるんだから…。さっさっと終わらせないと、いけないのに……」

要がブツブツ文句を言って先頭に行く。

「かっ……要君大丈夫かな?……怖く無いかな?」

「要は大丈夫だよ。ハッキリ言って会長より頼りになるからね」

「……そっ、そうだよね……」

要は、地図をパパッと見て、スタスタっと歩いていく。……さすが、要。神社が見えてきた。

「ぁ…神社だょ。藍……」

「本当だ。やっと、着いた」

僕達は、神社に入って行く。

「ちょっと待て!」

……えっ?誰?この、おじさん……。

「そんなノコノコと神社に入って行くな!神社にはな、ちゃんとやり方ってもんが、あるんだ!」

「……誰ですか?」

蓮が優花の前に立って凄い低い声でおじさんに聞く。…すぐに、こんな男らしい事が出来るって…蓮凄いな…。
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