7人のメガネ男子にごちゅーい!
「えっ?」

僕達、そんなに優花の事見てるの?

「ぁれ?優花ちゃんは?」

「おーい。優ー花?」

「何?」

「どこに居たの?」

「何か…女の子が奥に走って行ったから、気になって、見に行こうと神社からちょっと出たんだけど…。見失っちゃった…」

「「「は………?」」」

「おっ、お嬢さん。それ……幽れ…」

「おじさん!それ以上言ったらダメ!」

雪斗が、おじさんの声に重ねて怒鳴る。

「どうしたの?皆…」


優花が、キョトンとした顔で僕達を見る。
まさかの…優花が幽霊を見たなんて……。

「なっ、何でも無いよ?優花も、お神籤しよ?」

「うん」

「でも、要がまだ引いてないよ」

蓮が、要にお神籤箱を渡す。

「あぁ、そうだった。…蓮、ありがとう」

要が、蓮にお礼を言ってからお神籤箱をゆっくり振る。

「ほれ、ほれ。見しなさい」

要が、おじさんに渡す。

「えっ~と、君は…。吉。恋愛運がな『好きな人をデートに誘うと◎。図書館等、静かな所が特に◎』だとよ!兄ちゃん、頭良さそうな顔してるもんな」

「ありがとうございます…」

「勉強以外も教えてやれ!大人の勉強ってな!!ギャハハ!!」

「神社で下ネタかよ…。おっさん罰当たりだな」

風真がおじさんに呆れる。正直、僕も呆れてる。神社で下ネタは無いよ。

「……………」

要が、ちょっとだけ顔を赤く染める…。でも、さすが要。……下ネタに動じない。

「じゃ、じゃあ、またジャンケンしようか…」

雪斗が下ネタに少しビックリしながらも、皆に指示をする。

「「ジャンケンポン」」

「あっ…。僕が負けた」

雪斗が、お神籤箱を要から受け取る。ガシャガシャっと、振っても出てこない…。上下に、ゆっくり振ってやっと結果が出てくる。

「雪斗君、貸しなさい」

「えっ?何で、僕の名前を?」

「雪斗君と、優花ちゃんの名前は知ってるよ。よく、愛美ちゃんから君達の事を聞くからね。まぁ、そんな事は良いから結果を貸しなさい」

「あっ、はい…」

「おぉ、中吉だ。最初の男の子と同じだ。どれどれ、恋愛運が『好きな人に頼られる事がある。その時は、ちゃんと話を聞いてあげると◎』…まぁ、雪斗君が一番、ちゃんと話を聞いてくれそうな顔してるな」

「どうも…」

「ほら、早くジャンケンしなさい」

「「ジャンケンポン」」

あっ…。優花以外負けた。

「私、最後か」

「じゃあ、会長良いよ」

「おぉ!ありがとうな」

会長は、雪斗からお神籤箱を渡してもらってた。会長が、凄い早さで振ると結果が凄い早さで出てくる。

「ほれ、貸しなさい。貸しなさい」

「おっさん、早く読んでくれ」

会長が、おじさんに結果の紙をぐしゃっと、渡した。

「ほいほい。小吉だ。えっ~と、恋愛運が『努力次第で、素敵な出逢いをして、その人が好きな人になります。自分のやる事をきちんとすると◎』だとよ」

「素敵な出逢い…だと?」

「運命的な出逢いって事じゃない?会長」

僕が、簡単にまとめる。素敵な出逢いを簡単にまとめると、僕的にはこんな感じ。

「じゃあ、次風真で良いよ」

「……あぁ」

風真は、面倒くさそうにお神籤箱を振る。

「あっ、やっと出た。おぃ、おっさん」

「あぁ。貸せ貸せ。兄ちゃんはな、小吉だね。恋愛運が『好きな人には、優しくすると◎意地悪ばかりしてると、離れられる』……。もっと、優しくしてやれよ」

「……うっせぇよ。ほら、次藍だぞ」

「うん…」

僕は普通に上下に振る。紙が、穴から出てこなくて、手で引っこ抜く。

「お嬢ちゃん貸しな」

「僕、男……」

「知ってる。カラかっただけだ。兄ちゃん、可愛い顔してるからな。…えっと、おぉ。大吉だ。恋愛運が…『好きな人にそのままアタックしてれば◎でも、アタックしすぎは×』兄ちゃんって意外と肉食系か…。意外だな…」

「別に、おじさんに関係ないよ。てか、そのお神籤結構当たるね…。意外だ…」

「だよな…」

「ハッハッハ。そうだろ、そうだろ」

「じゃあ、次私ー!!」

優花が、僕に近寄る。……くぁ…可愛い…。

「はい、優花」

「ありがとう。藍!」

「いえいえ」

優花が、少し大きいお神籤箱を振る。小さな紙が、ヒラヒラと花びらのように落ちる。
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