7人のメガネ男子にごちゅーい!
藍はその後何も言わずにそそくさと歩いて行った。

「ちょっと、藍待ってよ!」

「……………」

藍は確かに待った。ケド、コッチを向かずに。

「何でそそくさと歩いて行っちゃうのさ。酷いなー」

「僕は最初から酷い人間だよ」

「絶対にそれは無いよ!」

「優花が酷いって言ったんじゃん」

あ……。そうだった……。

「そ、そうだけど……。藍は酷くないよ」

「そうですか」

ちょっと機嫌悪そうに言った藍だけど顔が優しくなってた。

「藍は、いつから生徒会委員になったの?」

「皆、二年生になってから。生徒会委員は二年生になってからじゃないと入れないしね」

「え?じゃあ、最近?」

「うん。最近。生徒会委員は二年生しか出来ないのは知ってた?」

「いや、初めて知った」

そんな決まりがあったんだ……。初めて知ったな。

「そうなんだ。意外だね。普通、大体の人が知っ…」

「優花ちゃーん!」

ドーンッと直樹君が後ろから私に抱きついてきた。

「ぅわっ!」

「ちょっと、直樹。後ろから急に抱きついてきたら優花が可哀想じゃん」

「優花…?何?もう、そんなに仲良くなったの?」

「駄目?直樹に関係ないじゃん。しかも、同じクラスだったし」

「えっ?優花ちゃんって二年生だったの?年下かと思ってた。小さくて可愛いから」

「そうですか…」

やっぱり、香水がキツい。まぁ、良い香りだけど……。

「優花ー!」

「あ。雪斗」

「あー!直樹また優花に抱きついてる~!離れてよー」

「そうだよ。直樹。離れなよ。優花が嫌がってんじゃん」

「嫌じゃないもんねー?優花ちゃん?」

「ぁの……」

すると急に直樹君が私から離れた。いや、引き剥がされた。

「あ。風真」

「女好き。お前、迷惑かけんなよ。てか、こんな幼児体型のどこが良いんだよ。まだ、そこにいる女の方が良いだろ」

「な……!」

幼児体型って……。失礼ねっ!!!

「この幼児体型なんか、胸が寂しいだろ。ハハッ」

「ちょっと、そこの赤髪野郎。アンタ、言って良い事と悪い事の区別もつかないの?!アンタ、私が何も言い返さないからって調子乗らないでよ!!」

「「……………」」

ぁぁあ……。また、やっちゃった……。 

「……テメェ、ちょっと来いよ。コイツ借りるぞ」

ヒョイと私を担いで風真君、通称赤髪野郎は走り出した。

「キッ…キヤャァァ」

「うるせーな。ちょっと黙ってろ」

「ちょっと、降ろして!まーなーみー!助けてー!」

うぅ……。愛美来ないし。多分絡まれてるんだな……。

「幼児体型黙れ。襲うぞ」

「もう、襲ってるわよ!離して」

ていうか、皆見てないで助けてよ……。

「良いから黙ってろ」

私は一体ドコに連れてかれてシバかれるんだろう?

「……………」

私は、抵抗する力も無くなった。私は無言。風真君も無言。私は風真君の背中しか分からなかった。

「よし。着いた。ヨイショと…」

意外に優しく降ろしてくれた。てか、ココ……。どこ?

「ぁの、ココ…どこ……ですか?」

「あ?幼児体型に関係ねぇよ。ちょっと、幼児体型と2人で話してみたかったってダケだよ」

「何で…ですか?」

てか、幼児体型って酷くない?確かに、私は身長低いし、胸あんま無いし、童顔だし、馬鹿だし、可愛くないし…。

なんか、自分の悪い所を考えたらブルーな気持ちになってきた。
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