7人のメガネ男子にごちゅーい!
「冷てっ!!この、やったな!チビ」

「僕が、冷たいの嫌いって知ってんじゃん!」

風真君と藍は、水を掛け合う。仲が良いんだか、悪いんだか……。

「おい!お前ら!俺も仲間に入れろ!」

会長が、プールに飛び込む。会長は、どこから持って来たのか、小さいバケツにプールの水を入れて、生徒会メンバー全員に掛ける。勿論、皆に何故か火がつく。

「祐希!やったな~!」

蓮さんが、会長の名前を呼びながら水を掛ける。……いつも、『会長』って呼んでるのに。普段は、名前で呼び合ってるのかな?
ていうか……。

皆、本気で掛け合ってない?皆、鼻に水が入ってゴホゴホしてる。
あれから、数分位経った位の事…。

「ゴホゴホ…。ゴホッ…。あー。はしゃぎすぎた…」

風真君が、プールから上がってくる。

「風真君、大丈夫?…はい、タオル…」

私が、少し背伸びをすると風真君は、しゃがんで私からのタオルを首に掛ける。

「ありがとな…。優花…」

風真君が、濡れた手で私の頭を撫でる。

「うん」

「ぅぅ……。寒いよ……」

「雪斗ベチャベチャじゃん。あはは、雪斗ウケるー!」

私は、大爆笑しながら雪斗の背中にタオルを掛ける。

「ハックシュン」

「雪斗、体ちょっと暖めなよ」

藍が、自分のタオルを雪斗に掛ける。さすが藍だね。

「藍、ありがと…」

雪斗が、鼻の下を指でこする。

「僕、パーカーあるし」

「あーもー。会長、俺休みたいんだけど!」

要君が、プールから出ようとしてるところを会長が、要君の足の引っ張ってた。

「俺は、まだ遊び足りないんだ!蓮も手伝え!あ、おっ、おい!蓮?!」

「ごめん。祐希、俺寒い」

蓮さんは、私達の所に駆け足でタオルを貰いにくる。

「優花ちゃん、タオル貸して?」

「あっ、はい!…どうぞ!」

「ありがとう」

「あれ?そう言えば、直樹は?いなんだけど?」

藍が、辺りを見回す。本当だ。直樹君いない…。

「コッチだよーん!」

私達の上から直樹君の声が聞こえる。私達は、一斉に直樹君の声が聞こえた方へ視線を向ける。

「ちょっ、直樹君危ないよ?!」

直樹君は、更衣室の屋根上に座っていた。遊園地の方を指さすと。

「ねぇー!皆ー、今日って遊園地貸しきりじゃないんだねー!」

えっ?!そうだったの?!

「そうだよ。昨日だけ。昨日の内に全部遊んでて良かったでしょ?」

「だから、早く早くって急かしてたのかー。うひょー。可愛い女の子多いなー。まぁ、優花ちゃんが一番可愛いけどねー!」

「うるせぇよ。女好き。テメェは、さっさと優花にフられちまえ!」

「何で、そんな事言うんだよ!風真こそ、フられろ!」

「あ゛ぁ?んだと?!女好き!!テメェ、そこ降りるんじゃないぞ!今、殺してやる!」

「風真君、危ないからダメだよ?行ったら私、怒るよ!」

私は風真君の腕をガッチリと掴む。風真君は、顔を真っ赤にして止まる。

「…………」

「ダメ!絶対にダメだよ!」

「優花ちゃんの言う通りだよ。直樹は、バカだから良いんだから」

蓮さんが、サラリと酷い事を言う。

「ちょっと!?蓮、酷くない?!」

「バカじゃないなら、今すぐに降りてきなよ。直樹」

「はーい」

直樹君は、ゆっくりと屋根上から降りてくる。
< 81 / 152 >

この作品をシェア

pagetop