7人のメガネ男子にごちゅーい!
「優花ちゃんが、普通に過ごしてても、多分大丈夫だよ」

「そうなの?」

「うん。でも、会長がな……。手強いと言うか……」

「手強い……?」

「自分の気持ちに鈍感と言うか……。というか、元々鈍感なんだけど……」

「鈍感……?」

「でも、多分もう少しだよ」 

「へぇ……」 

チラッと外を見ると、頂上どころか、もう終わりに近かった。

「もう終わりだね……。沢山お話し過ぎたね……」

「でも、会長戻ってきてるよ?ほら、風真君の隣に立ってる」

「本当だ……」

「直樹君の言った通りだったね。蓮さんが、会長に電話掛けて、戻ってくるって」

「偶々だよ。大体の皆が理解出来てたと思うよ?」

「そうなのかな……」

直樹君が、気付いたの結構早かったケド…。

「うん」

ガチャンと、観覧車の扉が開けられる。少し涼しい風が私を包む。

「会長ー!何で迷子になるんですかー!」

私は、観覧車から出て直ぐに会長に向かって文句を言う。

「それは、こっちのセリフだ!何で勝手に行動するんだ!俺はトイレに行ってたんだぞ!」

「誰にも言ってないじゃないですか!」

「俺は、皆に言ったんだぞ!それなのに、皆は無視して行ったじゃないか!」

会長の声何て、聞こえた覚えがない……。

「ちゃんと、聞こえるような大声で言って下さい!」

「おっ、俺は言ったぞ!…トイレ言って来るって!」

「絶対に嘘です!会長、今目泳ぎましたもん!もう、本当に大変だったんですからね!」

「…………」

会長は、嘘がバレたと、顔をした。その後、雨の日に捨てられた子犬のような目で私を見てきた。

「そっ、そんな目で見ても騙されませんからね!」

小さい頃から、雪斗のウルウル目が苦手だけど……。会長のも、苦手……かも……。

「…………」

「かっ、会長!その目ヤメて下さい!」

「どっ、どんな目だ……!」

「ウルウル目で、私の事を見ないで下さいって事です!」

「うっ、うるさいぞ!お前が、怖いんだよ!俺に、お前みたく怒鳴る奴何て見たことが、無いんだよ!」

「だから、そんなにワガママ何ですね!蓮さんや、皆に迷惑を掛けて!」

会長は、さっきよりウルウル目で見てきた。私、1000のダメージ。

「…………」

「もう、良いです……」

はぁ、これだから私は……。

「…………」

「ちょっ、会長!そんな目もうヤメて下さい!」

「俺は、泣きそうなんだよ!お前が鬼みたいで!」

「なっ……!……野菜を無理矢理でも食べさせますよ!」

「すいませんでした」

「分かれば宜しいです!」

「本当の鬼だ……」

会長が、ボソッと呟いた言葉が私にはハッキリと聞こえた。

「会長!本当に、私キレますよ!」

「もうキレてるだろ!」 

「そうです!キレてます!」

「もっ、もう、喧嘩はヤメよう?ほら、藍達が戻って……」

蓮さんが、藍の方を見ると、苦笑いをしたまま固まってた。私も、藍の方を見る。

……藍の顔怖っ……。

「ひぃぃ……!!」

直樹君が、私の後ろに隠れる。……直樹君、ブルブルと震えてる。

「直樹ぃぃ……。ちょっと、僕の方に来ようかぁぁ……?」

「あっ、藍。ちょっと落ち着いて?」

「優花……。直樹から、離れて?」

藍の天使なような悪魔のような笑顔を向けられ、私は少し横にズレてしまう……。

「…………」

直樹君は、無言で突っ立てた。体を少し震わせて……。

「直樹ぃぃ…。僕に言うことはぁぁ…?」

「約束破ってすみませんでした!もう、本当に怖いよ……」

「ん?聞こえないな!もっと大きな声で!!ほら、僕に言うことはぁぁ?!」

「約束破ってすみませんでした!!!」 

「……………」

「もう、本当に許して下さい……」 

「……………」

「もう、会長がある行動するまで、手出しません……」 

「……本当に?……本当の本当に?僕に誓う?会長がある行動するまで、本当に手出さない……?」

「本当に出しません……!!」 

「まぁ、それなら良いか。約束破ったら、本当に……。口パクで、言ってたこと本当にするから」

「はい……」

藍のお説教が、終わった後、直樹君は、数分位足が動かなくて皆で綿飴を食べてから遊んだ。
本当に怖かったな……。あの時の藍の顔……。

……でも、皆…そんなに本気になる程、その人の事好きなんだな。どんな人何だろう?見てみたいな……。
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