7人のメガネ男子にごちゅーい!
「御馳走様でした……」

「お前って、恥ずかしいって感情って無いわけ?」

背の高い人は、私の顔を覗き込む。

「あるよ?……じゃあ、お皿洗ってくるから……。手伝わせてあげても、良いけど?」

「素直に、手伝って下さいって言えよ」

「嫌。手伝わせてあげても、良いけど?」

「じゃあ、手伝ってやっても、良いけど?」

「じゃあ、手伝いなさいよ」

ほらっ、と、私はお皿を持たせる。

「本当に、生意気だな……」

「生意気で、結構」

「本当に、可愛くねぇな……」

「可愛くなくて結構」

「はぁ、お前といると、変だわ。本当に」

「私のせいに、しないで。口動かさなくて良いから、キッチンに行くよ」

「ていうか、それは別に良いけど、何でタメ口なわけ?」

「だって、同い年でしょ?」

「はっ?俺、三年。それに、夜月学園の生徒だし……」

「ぅえっ?!さっ!三年?しかも、同じ学園だったの?!ぅわ……」

「最後の『ぅわ』余計だし…。って事で、お前は、俺には、敬語で、俺の言うことには、絶対服従だからな」

「はっ?……意味分からないから」

私達は、ちょっと薄暗いキッチンに着く。……今、何時何だろう?

「ほら、早く洗えよ」

「アンタは、何するの?」

「俺は、お前の先輩なんだぞ!アンタ呼ばわりをするな」

背の高い人に、鼻を強く摘まれる。

「ひゃって、にゃまえ、しりゃないもん……。どうひゅれと……」

「俺の名前は、柳井尚矢(ヤナイ ナオヤ)。柳井様と、呼べ」

「無理。嫌だ…。って事で、尚矢先輩で」

「それこそ、嫌だ。だったら、呼び捨てで良い」

「じゃあ、尚矢?」

「まぁ、それで」

尚矢は、キッチンの電気を付ける。

「それじゃあ、お皿洗おっかな…。尚矢は、私の洗ったお皿をタオルで拭いて?」

「………おぉ」

私達は、無言でお皿を洗って、お皿を拭いていく。10枚のお皿を洗い終わった頃、私の感では、もう夜の9時だった。

「ふぅ…。終わった…。尚矢、ありがとう。手伝ってくれて…」

「別に……。南愛の世話をしてくれたから、その礼ってだけだ……」

「あれ?南愛君、寝なくて良いの?もう、遅くない?」

「まぁな。今、10時過ぎてるしな……」

「えっ?!10時過ぎてるの?!」

ひゃー。どうしよ……。もう、そんな時間なの?!

「あぁ……」

「私、家帰っても良いの?」

「ダメに決まってんだろ?」

「えっ?じゃあ、私、どこで寝るの?……まっ、まさか外?」

「んなわけ無いだろ…。お前は、南愛と、俺の部屋で寝るんだよ……」

「ベット、3つもあるの?」

「多分な」

「なら、良いけど……」

「ほら、トロトロしてねぇで、早く寝んぞ。南愛は、もう部屋にいる……」

「……………」

もしかして、皆、ここで住んでるのかな?

「何だよ?」

「いや。あのさ。……皆、ここで住んでるの?」

「たまに、来てるだけだ」

「そっか……。なら、良いんだけど」

流石に、あんな小さい子をこんな所で住ませたらダメだよ……。

「………。ほら、早く行くぞ」

グイッと、尚矢に腕を引かれる。

「あっ、うん」

この建物は、本当に広くて二階もあった。
尚矢は、私の事を二階まで、連れて行き一つの部屋に押し込まれる。
< 95 / 152 >

この作品をシェア

pagetop