ねぇ、大好きだから、
なんとなく悔しくなった俺は、
気を失ったまま起きそうにない男を
自分の上から降ろし、
琴ちゃんを追いかけた。


いやいや。

別にケンカ売ろうとかそんなつもりは
なかったんだけどね?


「ぅおーい。
一緒に帰ろうよーう」


「…なんで?」


…なんで?
なんで…って、
特に理由はないけど…?


「え…道、一緒だし?」

「…ふうん」


琴ちゃんはどー見ても不満そうだった。

なんで俺にはそんなに冷たい訳?


琴ちゃんは、ちょっと前まで
生弥の事が好きだった。
その時は、琴ちゃん…
そんな性格じゃなかったと思うんですけど?


「ねぇ、琴ちゃん…」

「何?」

「生弥の事好きだった頃、
琴ちゃんそんな性格だった?」


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