愛と情熱の狭間で

「……ッ…」


袖口から香る煙草の匂いと艶のある甘い声に息を呑む。



「スミレ」


少し掠れ気味に名前を呼ばれて、無意識に吐息がこぼれる。



「…レオ」


背後から抱きしめられて、その力強い腕に安心する自分がいた。




「そういえば、俺らの最初の出会いもこんな感じだったよな…」


「……ッ…」




ちゃんと覚えて――。


レオとの出会いは、この図書館で
これまた本を取ってくれたことから始まった。


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