愛と情熱の狭間で

「はい。どうぞ」


「あ、ありがとうございます」



艶のあるバリトンの声に心奪われ、名前も知らない彼に惹かれてから再会するまでにそう時間はかからなかった。





「スミレ、紹介するよ。こいつ弟のレオ」


「初めまして、スミレさん」



驚きと困惑となんとも言えない痛みを残して、
この想いを胸のうちにとどめて封印しようと何度も自分に言い聞かせてきた。


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