~時代を超えた恋~
ボーッとしたまま一日が過ぎ、

6時間目となった。

日本史か……

教科書とノートだけを机の上にだす。

あ…そういえば。今日藤原絡んで

こないなぁ…

まぁ、いっか

「ーーのためーーーはーーで…」

窓の外を眺めながら先生の話しを聞く。

「えー…近年豊玉発句集の続きが見つかったそうだ…」

その言葉だけは妙に耳に入った。

あぁ。お父さんさんのが…

思い出してクスッと笑った。

「少し紹介しよう」

どんなのだろ?

「お前じゃない紗綾だとわめく
馬鹿娘」

………え?

「どやがおのいやをまだ
きいてない」

……もしかして…私?

「ありがとう君の時代に
届くといいな」

……お父さん……届いたよ?

ポトリと涙なおちる。

あ……総司との約束……

“僕の前以外は泣かないで下さいね”

ぐっと堪えても涙は流れてくる…

私は頭を伏せて寝ているふりをした…

幸い私の席は窓際の1番後ろ。

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