~時代を超えた恋~
………

ガラッ

部屋に着くとひとまず座る。

そして沈黙が流れる。

その沈黙を破ったのは私だった。

「沖田さん」

「なんですか?」

「なんで聞かなかったんですか?」

「何をです?」

「腕の痣の事…」

少し声が震えているのが自分でも分かる

「聞けなかったんですよ」

「え?」

「彼方が、あまりにも悲しそうな顔をしたから。」

「そう…ですか」

「いつでも頼ってくれていいんですよ?」

「え?」

「彼方、強がっているように見えますから」

ツー

涙が頬をつたった。

「あ…」

「いいですよ、泣いても」

「っ!」

そして優しく私を抱きしめる。
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