天使の歌

キュティが村を出てから、1週間が過ぎた。

村が何故 襲われたのか。
村が どうなったのか。
襲って来た者達は何者なのか。

キュティの頭の中は疑問だらけで、しかし、それを解決する手段は、何も無かった。

けれど、1つだけ、手掛かりとなる物が在る。

――お前が この村に居なければ、こんな事には ならなかったんだっ!!

今でも思い出すと涙が込み上げる、信じていた人の言葉。

“お前が この村に居なければ。”

(それって、村を襲った人達の目的は、私って事だよね。)

つまりキュティは、何者かに狙われていると言う事。

(でも……どうして私が?)

やはり、人間との混血(ハーフ)だから、だろうか。

(……私の所為じゃないのに。)

天使の父と人間の母を持ったのも、その2人の間に生まれたのも。

全部、キュティが選んだ事では無い。

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