天使の歌
キュティは呆然と、その場に膝を付いた。
「……そうだ。俺は、悪魔だよ。」
銀髪の少年は平然と そう答える。
(……って。)
どうすりゃ良いんだよ!?
落ち着いた外面とは裏腹に、内面では今直ぐ逃げ出してしまいそうな程、彼は動揺していた。
(完全に腰 抜けてんじゃねェか。こいつが誰かに俺の事 言ったら更に追っ手が増えるだろうし……殺すべきなのか!?いや でも女じゃねェか!!)
完全に動揺してしまい、少年は何も言えない。
その時、キュティが ぽつりと呟いた。
「……た。」
「?」
キュティは顔を上げる。
その瞳に浮かんでいるのは、涙だった。
「漸く見付けた。……私、貴方を ずっと捜してたんだよ?」
「……ぇ……。」
泣きながら微笑むキュティを、少年は呆然と見つめた。