天使の歌
想い
真実
セティと旅を始めて5日目。
故郷の村を訪れたキュティは、驚愕に目を見開いた。
焼け焦げた木。
焦土と化した地。
破壊された家。
かつて村と呼ばれた地は、荒野と なっていた。
「……嘘……。」
自分を罵る村人。
優しいネスラさん。
兄のような存在だったネスティ。
裏切られ、傷付けられても、心の拠り所となっていた故郷。
それが、もう、無い。
よろよろと後退るキュティを、セティが支えた。