天使の歌
(……やはり。)
セティは僅かに眉を寄せて、キュティを支える腕に力を込めた。
仮定は、確信に変わった。
言わなければ。
「……キュティ。」
言わなければ。
「やはり俺は、君に話さなければならない。聞いてくれ。」
キュティは ぼんやりと、セティを見つめる。
(……どうして?)
どうして今なの?
こんなに辛いのに。
こんなに哀しいのに。
こんなに苦しいのに。
こんなに……ぼろぼろなのに。
それでもキュティは、セティに向き直った。
「……何?」