天使の歌

焼け焦げ、崩れ落ち、原型を留めていないが、其処は確かに、住み慣れた家だった。

「……ネスラさん……ネスティ……。」

ふらふらと家に歩み寄るキュティの足元で、硝子のような物が壊れる音が聞こえた。

「…………?」

しゃがみ込んで良く見てみると。

「……これ、眼鏡……?」

そのフレームには、見覚えが在る。

まさか。

キュティは かたかたと震え出した。

「……ネス、ティ……。」

ネスラさん。
ネスティ。

2人共、死んじゃったの?

生きてるよね?

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