天使の歌

しかし、頭の片隅では理解していた。

この村の生き残りは、恐らく自分だけだろう。

――私の所為だ。

私の所為で、皆、死んでしまった。

「……ど……して……。」

限界だった。

キュティは その場に泣き崩れる。

「……も……嫌……傷付きたくない……傷付けたくない……。」

その時、何かが ふわりと、キュティの頬を撫でた。

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