天使の歌
因果
どれくらい時間が経っただろうか。
ずっと泣いていた所為で、頭の奧が がんがんする。
(……戻らなきゃ。)
そう思い、立ち上がろうと する。
ネスティの言葉を聴いて、気付いた。
人には それぞれ、想いが在る。
きっと、セティだって、自分の所為でキュティの村が滅んだなんて、言いたくなかっただろう。
それでも、嘘を つきたくなくて、打ち明けてくれたんだ。
それなのにキュティは、彼の手を振り払ってしまった。
(謝らなきゃ。)
謝って、付いて行く事を許して貰わなきゃ。
――君は悪くない。
さっきのネスティの言葉で、自分が少しだけ、許された気がする。
キュティが悪くないのなら、セティだって悪くない筈だ。
悪いのは、村を滅ぼした人達。
その時。