天使の歌
「……ふん、相変わらず勘は良いみてェだな。」
現れたのは、橙の髪を頭の左上に無造作に束ねた天使だった。
「……お前は……!」
セティは僅かに眉を寄せると、右手を躰に対して垂直に曲げ、左手を腰に充てる、独特の構えを取った。
「部下に捕まえさせようと してもさぁ、お前、直ぐ返り討ちに しちまうの。だから、オレが直々に出向いたって訳さ。」
橙の髪の男は笑う。
しかし その瞳は、笑っていない。
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