天使の歌
橙の髪の男は、そんな2人を見て、楽しそうに笑った。
「良い様だ。……おい、ちょっと可愛がってやれ。」
「は。」
残った もう1人の部下は頷くと、セティに歩み寄り。
「う"っ!!」
倒れたまま動けないセティの鳩尾を、力一杯 蹴った。
彼は更に頭を蹴り飛ばし、短剣を数本、セティの足に突き刺した。
「……はっ……ぁ……。」
セティの口から、胃液と血が溢れる。
「い……嫌ぁ!!止めてぇ!!」
キュティは泣き叫ぶが、彼女を捕えた男は、にやにや笑いながら その光景を見ていた。
やがて、橙の髪の男が、セティの髪を掴み、上を向かせた。
「苦しいか?」
「……せ……。」
「何?」
傷付き、息も絶え絶えのセティが言ったのは、信じられない言葉だった。