天使の歌
「……キュ……を、離、せ……。」
橙の髪の男は ぽかんと口を開け。
「ふ、はははははははは!!」
大声で笑い出した。
「てっきり命乞いして来るもんだとばかり思ってたのにな、はは、まさか連れの心配を するとは。」
橙の髪の男は、セティの頭を地に叩き付けた。
「……うっ!!」
「昔みたいに、お兄ちゃん、とでも呼んでみろ。そしたら、考えてやるよ。」
(……え……。)
今、あの人は、何と言った?
「……お、兄、ちゃん……?」
橙の髪の男は、キュティを振り返った。