天使の歌
それからセティの熱が下がる迄、2人は其処で野宿を した。
その間に、セティは、あの橙の髪の男との関係を説明した。
「……つまり、セティの お母さんと天使との間に生まれた子がスティさん。その後、スティさんの お父さんが亡くなって、新しい お父さんとの間に生まれたのが、セティって事?」
こめかみを指で押さえながら訊き返したキュティに、セティは黙って頷いた。
「それで、悪魔狩りを始めたのが、スティさん……。」
スティと言うのは、橙の髪の天使の名だ。
「何か……複雑だね。お母さんは、スティさんの事、止めないの?」
そう言うと、セティは顔を曇らせた。
「……もう、居ないから……。」
そう呟いたセティの顔は、長い前髪に隠されて、見えなかった。
「……御免。」
「良い、気にするな。いつか……話したくなったら、話すから。」
その言葉に、キュティは こくりと頷いた。
セティの事を知りたい。
でも、彼が話したくないのなら。
もう これ以上 訊くのは止めよう。
キュティは、そう決めた。