ナピュレの恋【完】
「うん、分かってるよ。でも…」
裕也が何かを言いかけた時
「いいの、いいの!!また来るから!!」
“じゃぁ裕也くん、またね”と、三人は帰った。
「ねぇ本当に良かったの?」
大事なお客様なのに。
「うん、いいんだよ。それより花音さんが待ってる。行こう?」
繋いでた手をまた強くギュッと握られた。
「うん」
なつこは笑顔で頷くと
「あ、待って」
裕也に呼び止められた。
「どうしたの?」
なつこが振り返ると同時に“チュッ”と落とされた、キス。
「………っ」
不意打ちのキスになつこはただ頬を赤くするだけだった。