ナピュレの恋【完】
「裕也くん、悪いんだけどそういうことだから花音のことよろしくね?」
「ちょっとー。人のこと老人扱いしないでよねー」
頬を膨らませ花音は怒った。
そんな二人の会話を裕也は笑いながら
“お任せください”と頭を下げた。
「じゃー、行ってくるね」
なつこはナピュレから出ると走った。
裕也に早く会いたいからではない。
花音はイジけると、とても面倒なのだ。
ネチネチずっと言われ続ける。
ま、ケーキの一つでも買ってあげたら機嫌は直るんだけど。
「毎回は…ね」
また独り言を言いながら走った。