羽蝶蘭



「真樹(マサキ)さん。コイツがいいって言ってるんですから、放っておきましょうよ」



『銀』


中々ひどい奴だ。



まぁ、私にとっては好都合なのだが。




「……未知瑠(ミチル)は黙ってろ。」



マサキと呼ばれた『黒』にミチルと呼ばれた『銀』は不機嫌そうに口を噤んだ





「まぁまぁ、いいじゃねぇの。…あー、お前の名前なんていうんだ?」



『金』がだるそうにこちらへ目を向ける



他の色もこちらへ視線を送る



「蘭、…羽蝶 蘭」



その言葉を言った時の彼らの表情は、きっと忘れないだろう。






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