羽蝶蘭
羽蝶蘭という名の族。
「助けていただき、ありがとうございました。」
また、いつもの笑顔で礼をいう。
あの後、『黒』たちは凄まじいほどの力であの男達を追い払った。
「ええで~。それにしても、なんでこんな時間にあんなところにおったん?」
『オレンジ』が私に問いかけてきた
もうすぐ、時計の針は2をさそうとしている。
そんな時間に女が一人、裏路地など歩いていては不思議に思うのは当たり前であろう。
「少し、外の空気を吸いたくて」
『オレンジ』の質問に答える
嘘では…ない。
あまり考えずに外にでていたが、外の空気を吸いたかったのは本当だ。
「へぇー、度胸あんのな。」
先ほどの金髪より綺麗で澄んだ『金』の男は興味なさげにタバコをすいながらいった。
…煙たい。