紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~
彼らがコートニーを手に入れたら、彼女はもっとつらい思いをするだろう。
それは絶対に、させてはならない。
オーランドは悩む。
じゃあ、どうしたらいい?
自分たちだけで、プリンスやナンシーに対抗できるか?
しかも右腕が、こんなに不安定な状態で。
彼らが黙り込んでしまうと、隣の部屋からの声が聞こえてきた。
アリスとコートニーだ。
何か言い合っているらしい。
「おお、こええ~……
オーランド、アリスのご機嫌損ねるなよ。
つきあってやったら?」
「いやや」
「可哀そうに。あんなに必死にお前にアピールしているというのに」
二人の男は、ため息をついた。
すると、隣の部屋も静かになった。
「こんなの、いつまでも続けてられねえぜ。
どうがんばって隠そうが、彼女がプリンセスだってことはすぐばれちまうよ」
わかってる、とオーランドもため息をついた。
その日はそのまま、彼らはアリスの部屋に泊まることにした。