紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~
ああ、女の子ってどうしてこうなんだろう。
その場に男がいればそれほどもめないのに、女の子だけになると、人が変ったように悪口をいいあい、ケンカをする。
「そっか、思い出したくないほど嫌なこと言われたんか」
オーランドはコートニーのブラウンの頭をなでる。
「……やっぱり私、あなたのそばにいない方がいいのね」
「…………」
「私がいるから、あなたが傷つくんだって、散々言われたわ」
アリスなら言いそうだな。
彼女は基本的に自分に親切だけど、残念なことに、いつも少し的が外れている。
オーランドはため息をつく。
「キミがおるからってことはないよ。
組織に身を置いている以上、いつだって傷つく危険はある。
ナンシーやプリンスが騎士団の敵なら、結局戦うことになったんやろうし……」
ヘタな慰めだな。自分でもそう思う。
もっといい言葉を考えている途中で、コートニーは顔を上げた。
「……私、どうなっちゃうのかしら。
明日無理やりにでも騎士団に連れていくって、あの女が言ってたわ」
「あの女なんて言い方、よくないで」
「なによ!私は黒魔女、黒魔女って呼ばれてるのよ?
アリスはあなたのことが好きだから、余計に、女の私に意地悪を言うのよ」
コートニーは、オーランドの顔を見る。
その頬は白く光り、やっぱり怒っててもきれいだなとオーランドは思う。
「やっぱり、好き……なんかな」
僕は、キミを。
でもコートニーは、アリスがオーランドを好きという意味にしか考えない。
「決まってるでしょ!
……もしかして、オーランドも好き……なの?」
「は?僕が、アリスを?」