紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~
「……ねえオーランド。
私たち、お似合いだと思わない?」
コートニーはさっきまでの寂しげな顔ではなく、まるで小悪魔のような妖艶な微笑を浮かべた。
「たしかに、キミのゴスロリは、僕が愛するパンクファッションから派生したものであることは認めるけど……」
ゴスロリを身にまとっているので、ひどく子供っぽく見える彼女。
だけど、ただの子供には思えなくて、オーランドは身構える。
「そんなことは、どうでもいいの」
コートニーは座ったまま、隣のオーランドの腕に巻きつく。
そんなことには慣れているオーランドも、少しどきりとした。
そして……。
「お願い、私をさらって逃げて。
逃げ切れたら、お礼にあなたの願いを何でも叶えてあげるから」
と、オーランドの耳元で囁いた。