紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~


細いあごを上向かせ、そっと唇を寄せる。


するとコートニーはまぶたを閉じ、オーランドを受け入れた。


きっと、触れるだけのキスが来るのだろうと甘く見て。


予想通り、オーランドは優しく、そっとついばむようなキスをする。


離れていったかと思って目をうっすら開けると、再び唇が重なった。


「ん……っ」


何度も何度も、角度を変え強く押し付けられるそれに、息が苦しくなる。


抗議の声を上げようとした瞬間、小さな隙間から、オーランドの舌が侵入してきた。


最初は遠慮していた彼だが、コートニーの体から力が抜けていくと、少し安心したようだ。


「……嫌か?コートニー」


一応聞いてみたつもりだろうが、彼女は返事をしなかった。


だってもう、反論をする力が、顔に入らない。


それを良い返事だと受け取り、オーランドは再び、深いキスをコートニーに教える。


体中が熱くて、頭にまでその熱が上がったのか、何も考えられなくなっていく。


それは彼が離れていっても続いていて、ただぼんやりと見つめていたら、オーランドは濡れた唇で優しく笑った。


「……そんな顔されると、ホンマに我慢できなくなりそうなんやけど」


そんな顔って、私は今、どんな顔をしてる?


想像してみたけど、全然わからない。


ただオーランドが、愛おしそうに、自分を見つめている。


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