紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~
そう言うと、オーランドはにっこり笑う。
天使の笑顔が、悪魔に見えてきた。
「そうか、それだけ心配するほど、僕のことが好きなんやな。
可愛いやっちゃ。
僕もむっちゃ好きやで、コートニー」
「な……っ」
「ほしいのは、本当にキミだけ」
オーランドはコートニーの手をとり、キスをする。
ああもう、そんなこと言われたら逃れられないじゃない。
見えない鎖が、胸をしめつける。
それは切なく、幸せな痛みをコートニーに与える。
「本当に……?」
「うん?」
「死ぬまでずっと、愛してくれるのね?」
「うん」
即答。
信じていいのかしら、この人。
相変わらずすごくいい加減で……だけどとっても優しい、悪魔のような魅力をもった人。
「……もう、じゃあいいわよ。好きにしなさいよ……」
どうせ、どんな別れ方をしても、彼のことは忘れられない。
ならばお墓まで、彼の面影を抱いて、生きていこうじゃない。
「ホンマ?」
あなたのことが怖いんじゃないって言ったら、調子に乗って……。
ああ、でも。
その優しい笑顔が、本当に好きよ。