紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~
あのあと、すぐにオーランドも意識を失ってしまった。
目覚めたのは、騎士団の息のかかった病院の一室だった。
隣を見ると、コートニー……ではなく、赤髪の大男がぐーすかいびきをかいて眠っていた。クライドだ。
彼が無事だったことをホッとするも、オーランドはすぐに思い出した。
コートニーは、どうなった?
二人に付き添っていたフェイが、絶対安静だというのも聞かず、オーランドはコートニーの居場所を問い詰めた。
果たして、彼女は生きていた。
もしや、代償に命をとられてしまったのではないかと一瞬でも思った自分が、恥ずかしかった。
コートニーが、死ぬわけない……。
フェイに付き添ってもらい、なんとかコートニーがいるという場所に向かった。
そこは、なぜかあの湖の近くにある小屋だった。
騎士団がここに隠したという。
カートとナンシーの身柄は拘束されたが、まだ世界中に黒魔法師は残っている。
彼女の体が狙われないようにとの配慮だった。
付き添っていたアリスが、オーランドの顔を見て驚く。
そしてボロボロと涙を流した。
『オーランド……』
『アリス……コートニーは……』
『それが……』
目覚めないの、とアリスは顔を覆って泣いた。