紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~


なあ、コートニー。


そう言って、オーランドはランスロットが見ているにも関わらず、コートニーのあちこちにキスをした。


額に、頬に、髪に、唇に。


『ごめんな……ほんなら、ちょっとの間、お別れや。

僕のこと忘れんとってくれよ、コートニー』


それは私のセリフよ。


元気になったらすぐに、他の女の子を口説くんでしょ?


そういうふくれっ面を想像し、オーランドは一瞬だけ微笑んだ。


そうして、彼はイギリスをあとにしたのである。



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