紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~
ああ、僕のお姫様。
結婚式のドレスはもしかして、黒い方がいい?
僕は白いベールをかぶったキミも、見てみたい。
僕の前でだけこっそり着て、キスをしてくれないかな。
そういえば、ハネムーンに熱海は古風すぎると、まりあ達が教えてくれたんだ。
じゃあ、どこに行こうか?
どこでだって、僕はきっと、心から笑える。
苦しいこともあるだろうけど、キミがそばにいてくれるなら。
二人で手をつないで、どこまでも歩いていこう。
僕たちの前にあるのは、絶望なんかじゃない。
きっと、希望だけだから。
オーランドは、コートニーを抱き上げ、何度もキスをする。
遅れた3年分も、離れていた10年分、まとめて。
窓枠に座って自分たちを見ていた精霊たちが微笑んでいるのを、彼らは知らなかった。
【END】