紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~
着替えた2人が向かったのは、地下鉄の駅だった。
薄暗い構内を歩いていると、オーランドはふと足を止める。
「どうしたの?」
「ここから行くんや」
てっきり地下鉄に乗るものとばかり思っていたコートニーは、不思議そうな顔をする。
だってここは、構内の地下道であって、ホームではない。
何もなかった地下道の壁に、オーランドは手をかざす。
するとその右手の中指にされていた、金色のアーマーリングが淡い光を放ちだした。
「ほら、しっかりつかまっとき。
手ぇ離したら、どこへ飛ばされるかわからんで?」
コートニーは、そう言って差し出された左手をにぎる。
オーランドがそれを確認すると、突然壁に黄色い魔方陣が現れた。
「……移動魔法……?
あなた、魔法が使えるの?」
コートニーに聞かれて、オーランドは首を横に振る。
「僕の魔法やない。
これは、組織の『どこ○もドア』みたいなもんや。
組織っていうんは、僕の兄ちゃんのところ。
この魔法陣はイギリスの各地にあるんやけど、僕の部屋とは相性が悪いらしくて、つけられへんかった」
「ちょっと待って、『どこで○ドア』って、なに?」
「知らんのか?
日本で超有名なネコ型ロボットアニメの、超定番秘密道具やんか」