紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~
コートニーは不思議だった。
彼は自分を窮地から救ってくれ、今も手を引いてくれている。
今朝まで彼は明らかに、自分を厄介者扱いしていたのに。
オーランドは一瞬天を仰いでから、口を開いた。
「……同情やな、たぶん」
「……同情……」
それは、どういう意味?
「兄ちゃんの変態プレイに付き合うのは大変やからなー」
ははは、とオーランドは笑った。
何かを、ごまかすように。
コートニーは、そのスカイブルーの瞳をじっと見つめる。
その青の中には穏やかさだけじゃなく、もっと別のものが混じっている気がした。
運命は、動き出した。
なぜかそう、感じたのだった。