紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~
黒と白
カフェに入り、テラス席をあてがわれたコートニーは、それだけで不機嫌になった。
紫外線は、全ての肌トラブルの元であるというのに。
だけど、そこしか空いていないならしょうがない。
そうあきらめて腰を下ろしても、なかなか落ち着かなかった。
ちょうど昼食時で混んでいる店の中の客も、道を歩く通行人も、オーランドとコートニーをちらちら見てくるから。
「……オーランドが変な格好してるから、みんな見るのよ」
ぼそりと愚痴ると、オーランドは明るく笑い飛ばす。
「アホやなあ、僕がかっこええから見るんやろ。
それか、コートニーがあまりに可愛いからか」
「えっ」
可愛いって、今言った?
「うそー。派手な二人組やなあと思われてるだけやって。
気にせんとき」
可愛いと言われて、少し気分が浮上しかけたコートニーだったが、オーランドの冗談だとわかると、頬を膨らませた。
やがてオーランドが注文した適当なサンドイッチと紅茶が運ばれてくると、彼はやっと肝心の話をしだす。
「まず、僕サイドの説明からしよか」
さっそくサンドイッチをほおばってモゴモゴしているコートニーの口はカオス状態。
オーランドはそれを見て、呆れたように笑った。