紅蓮の腕〈グレン ノ カイナ〉~六花の翼・オーランド編~
コートニーは胸元を押さえながら、オーランドをおもいっきり指差して罵倒する。
「ま、待て待て待ていっ!
誰が変態やねん!僕はな、ただ……」
たしかに、可愛いと思ったけど。
ガラにもなく緊張して、指がすべってしまったのは確かだけれど。
コートニーが言うようなことは、絶対にない。
なんでそこまで被害妄想がひどいのか、理解できない。
「……オーランド、お前……ロリコンだっけか?」
「いや、大和撫子が好みだっただはずだが?」
クライドとフェイが、呆れ顔で問う。
「ツッコミがおかしいやろー!!
違うんやって、信じてくれよ……なあ、アリス……」
「…………」
アリスは何も答えず、まるで汚いものを見るかのような視線で、オーランドを射抜く。
「ちゃうって!
僕は、コートニーのネックレスが気になって、見せてもらおうと思っただけなんや!
ついでにブラ見てやろうとか、乳触ってやろうとか、そんなんじゃないねんって!!」
……必死で否定すればするほど、説得力がなくなっていく……。
オーランドは冤罪で捕まる痴漢の気持ちを、初めて理解した。
周囲の視線がこんなに冷たかったのは、夢見姫の力がなくなってしまったとき以来。
「なあ、なあ、他に気にすることあるやろ!?
ほら、あのクマくんはナニモノなんかなあ、とか……」
「クマ?」
仲間たちはコートニーの横のシドに視線をうつすが、彼は何もなかったかのように、可愛いテディベアに戻っていた。
(……しれっとクマのフリしとるし!!)
オーランドはシドを抱き上げ、前後に強く揺さぶった。