吸血鬼と歌姫と
「何があったの??
って訊いても良いのかな...?」
「あぁ、構わない。
ミレイにだけは全て話すつもりだ。」
そう言った笑顔もどこか悲しそう。
「元々、俺は向こうの世界の王子だったんだ。」
お、王子!?
最初からぶっ飛んでるけれど、ついて行けるかな...
「そして、アイツは酒場の歌手。
身分が違い過ぎた。
俺がアイツと結ばれるのを恐れた身内が、アイツに毒を盛って、俺の記憶の一部を奪ったんだ。」
時折震えるルキの声。
もう聞きたくない。
ルキはどんな思いで話してるの?