吸血鬼と歌姫と
「亡くなったんなら...あの...その...」
"もうここには居ないんじゃないの?"
そう言えなかった。
「気を遣いすぎだミレイ。
確かにこの世界にアイツは居ない。
だけど、この世界にいる気がするんだ。」
どういうこと?
私には難しい。
「記憶を奪われたせいでアイツの名前すら思い出せないけれど、"必ず見つけてやる"という約束は覚えている。
この世界にアイツ自身なのか、将又アイツの生まれ変わりなのか、分からないが必ずこの世界にいる。
だから、俺は迎えに行かなければならない。」
「つまり、その人の生まれ変わりがこの世界にいる気がするから探しに来たの?」
あぁ、とルキが頷いた。