吸血鬼と歌姫と
huit
Jazz Barを渡り歩いて一週間が経った。
手掛かりがない上、ルキの感性だけが頼りなので、少しも進展しなかった。
「ルキ、着いたよ。
この辺りだとここが最後かな。」
私が扉を引こうとするとルキに止められた。
「一応、男女で行くんだ。
エスコートさせろ。
そんなに俺に恥をかかせたいのか?」
そう言ってJazz Barに行く度にエスコートしてくれた。
調子が狂うなぁ...
「ほら、ミレイ入れ。」
扉を引いてルキが待ってくれる。
「ありがと。」