吸血鬼と歌姫と
Jazz Barに入るといつもにように
一番端の席に座る。
私がお酒が飲めないから、こっそりルキに飲んでもらうためだった。
ルキは二人分のカクテルを頼んで、
ステージを見つめていた。
カクテルが出てくると同時に、今夜の歌姫が登場した。
「わぁっ...綺麗。」
ブロンズヘアーに黒いドレス。
胸元には紅い薔薇が咲いていた。
心地よい歌声に身も心も溶かされた。
「どう?ルキ。」
「アイツではないな。
だが、いい歌声だ。
それに、この曲も気に入った。」