吸血鬼と歌姫と


「『In A Sentimental Mood』を歌います。
聴いて下さい。」


ルキに一礼してから目を閉じて歌う。


きっとあのBarの歌姫のようには歌えない。


ルキはいつかは最愛の人を見つけて、私の前から消えてしまうかもしれない。


だから...少しずつで良いから、聴いて欲しいと思った。



歌える所まで歌って、あとはハミングをした。


目開ける前に誰かが私を抱き締めた。
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