吸血鬼と歌姫と

「私...頑張る。
だから、ルキもお幸せに。」


ルキとは反対に地面を見ながら言った。



「ミレイは馬鹿だな。」


ルキの方を見たが、彼は空を見たままだった。


「俺は何も幸せだから向こうに帰るんじゃない。
幸せになるために、幸せにしてやるために帰るんだ。」


「どっちも一緒でしょ?」


「いや、違う。
念のためもう一度言っておくが、ミレイの思っている理由で帰るんじゃない。
俺の探していた人とは帰らない。
一人で帰るんだ。」
< 131 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop