吸血鬼と歌姫と
「私...頑張る。
だから、ルキもお幸せに。」
ルキとは反対に地面を見ながら言った。
「ミレイは馬鹿だな。」
ルキの方を見たが、彼は空を見たままだった。
「俺は何も幸せだから向こうに帰るんじゃない。
幸せになるために、幸せにしてやるために帰るんだ。」
「どっちも一緒でしょ?」
「いや、違う。
念のためもう一度言っておくが、ミレイの思っている理由で帰るんじゃない。
俺の探していた人とは帰らない。
一人で帰るんだ。」