吸血鬼と歌姫と


「...どうして?」


再び抱き締められたルキの胸の中。


「その答えは...少し待ってくれ。」


「帰る理由も教えてくれないくせに?」


「じゃあ、美玲の思った通りで構わない。」


私の出逢った吸血鬼はズルかった。



「本当に待ってて良いの?」



「あぁ。次は美玲を探しに行ってやる。」


「ちゃんと覚えててよ。」


「見つける自信はある。」


ルキの不敵な笑み。

これが私が最後に見たルキだった。

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