吸血鬼と歌姫と
スラっと背は高くて


紅い瞳に


長い黒髪


そしてずっと会いたかった人。


「美玲、口を閉じろ。
変な顔がますます変だ。」


その人に私はやっぱりムカついた。



「ルキ...」



涙のせいで彼がよく見えない。


彼はステージに近づいて、私に赤い花束を差し出した。


「Rose petals...」


思い出の歌詞通り、薔薇の花びらが舞い落ちた。



「やっと...歌姫に会えた。」


その言葉に引き寄せられて、私はルキの胸の中に飛び込んだ。



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