吸血鬼と歌姫と
「ルキ...見つけてくれてありがとう。
ずっと...ずっと...会いたかった。」
「俺も会いたかった。
もう向こうには行かないから安心しろ。」
「え?大丈夫なの??」
驚いてルキの顔を見上げる。
「王子など辞めてきた。
少し時間がかかり過ぎたがな。」
ルキが向こうの世界に帰った理由が分かった。
「美玲。」
ルキが片手で私の両頬を掴む。
いつもの癖だ...
そしてグッと顔を近づけると
「早く夢を叶えて来い。
美玲に伝えたいことがある。」
と優しく微笑んだ。