吸血鬼と歌姫と


ライブ後、赤い花束を持ってルキと出逢った公園に行った。


ずっと忙しかったせいか、懐かしく感じた。



遅い時間だったので、公園には誰もいない。

...ベンチに座るルキを除いて。



「ルキ。」



「あぁ美玲。」


ルキが立ち上って私に近づく。



あの日寂しそうに何処かを見つめていた瞳が、今は私に向けられている。


それだけで心が締め付けられた。
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